オプジーボとは?
オプジーボは、これまで抗がん薬のタキソテールしかなかったところに登場した、免疫チェックポイント阻害薬です。切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対して効果の見込める新しいタイプの薬剤になります。
がんの治療薬には抗がん薬、分子標的薬、ホルモン薬などがありますが、免疫チェックポイント阻害薬はこれらと違った作用機序(メカニズム)を持ち、世界各国で開発が急がれています。
オプジーボ・ヤーボイ療法症例報告
先進がん治療「オプジーボ・ヤーボイ」の仕組みを説明して、食道がんの症例をご覧いただけます。
症例の詳細
治療内容 | 60歳男性。食道胃接合部がんへのオプジーボ・ヤーボイ療法 |
治療期間・回数 | 4月からオプジーボ・ヤーボイ療法を7回実施 |
リスク・副作用 | 特に注意が必要な副作用 間質性肺疾患、重症筋無力症・心筋炎・筋炎・横紋筋融解症、大腸炎・小腸炎・重度の下痢・消化管穿孔、1型糖尿病、血液障害、劇症肝炎・肝不全・肝機能障害・肝炎・硬化性胆管炎、甲状腺機能障害、下垂体機能障害、神経障害、腎障害、副腎障害、脳炎、皮膚障害、静脈血栓塞栓症、血球貪食症候群、結核、膵炎、胃炎、ぶどう膜炎 |
免疫チェックポイント阻害薬とは?
そもそも免疫細胞は体内の異物を攻撃して排除します。がん細胞も細胞数の少ない早期には免疫細胞に排除されることが多いです。しかし、免疫細胞は活性化しすぎると自己の細胞を攻撃する自己免疫反応を起こすため、その表面には免疫反応を抑制する分子も備わっています。このブレーキ役が免疫チェックポイントと呼ばれるものですが、がん細胞の中には免疫チェックポイントに働きかけ、免疫反応を起こさせないようにしている分子があります。そこで、この分子の作用をブロックし、免疫細胞の本来の力を発揮させ、がん細胞を攻撃できるようにするのが免疫チェックポイント阻害薬なのです。
これまでの様々な臨床試験の結果から、免疫チェックポイント阻害薬は、複数のがんで効果が得られることや、抗がん薬と比べて副作用が少ないことがわかってきており、大きな期待が寄せられているお薬です。
オプジーボは、ブレーキを外してT細胞の免疫力を回復させがん細胞への攻撃を助ける治療薬です
オプジーボが血液に入ると、T細胞のPD-1と結びつくことでがん細胞との結合が阻害され、免疫の働きにかけられたブレーキが解除されます。
この作用によって、T細胞は、妨害を受けることなく、がん細胞を攻撃できるようになるのです。
オプジーボの副作用とその対策とは?
オプジーボには、多くの副作用が報告されています。
これまで報告されているものだけでも、
・間質性肺疾患(肺臓炎、肺浸潤、肺障害等)
・重症筋無力症、心筋炎、筋炎、横紋筋融解症、またこれらを合併したと考えられる症例
・大腸炎、小腸炎、重度の下痢
・1型糖尿病
・重篤な血液障害(免疫性血小板減少性紫斑病、溶血性貧血、無顆粒球症等)
・肺不全、肝機能障害、肝炎、硬化性胆管炎
・甲状腺機能障害
・下垂体機能障害
・神経障害
・腎障害
・副腎障害
・脳炎
・重度の皮膚障害
・静脈血栓塞栓症
・血球貪食症候群
・結核
・膵炎
などがあります。
しかしながら、下記の効果があることも報告されてます。
・悪性黒色腫
・切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん
・根治切除不能または転移性の腎細胞がん
・再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫
・再発または遠隔転移を有する頭頸部がん
・がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃がん
・がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫
・がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌
・がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の食道癌
これらは、オプジーボが効能追加承認を取得している効果になります。
当クリニックでは、通常240mg使用されるオプジーボを20mgなどの少量で使用しているケースがあります。実際に少量でも効果が出て副作用が抑えられるケースもあるため、患者様ごとの様子を見ながら使用をおすすめしています。
実際の症例は、当クリニックの「がん外来からのお知らせ」をご覧ください。
こちらの動画でも説明しています
ウクラインとは何?オプジーボって何?
2つの治療法の特徴や適用疾患、副作用、治療方法や実症例を元に具体的に、またよりわかりやすく解説しています。
料金
オプジーボは、静脈から1時間以上かけて点滴注射で投与 します。 投与量は、上述の通り患者さんの治療歴や体重によって決まります。
- 1回250,000円(20mg)
投与量は治療歴や体重によって増量可能です。
上記料金は20mgを投与した時の料金です。
※点滴時毎回採血検査を必須とします。
別途、採血検査と診察代合わせて(33,000円)必要です。
「ヤーボイ点滴静注液」との併用療法について
オプジーボ・ヤーボイ併用療法は、2種類の異なる免疫チェックポイント阻害薬を組み合わせて用いる治療法です。
オプジーボとヤーボイは、T細胞にかけられた免疫のブレーキを解除する働きがある「免疫チェックポイント阻害薬」です。
オプジーボは「PD-1」、ヤーボイは「CTLA-4」と呼ばれるT細胞のアンテナにそれぞれ結びつくことで、抑制信号をブロックし、免疫のブレーキを外します。これによってT細胞は、妨害を受けることなく、再びがん細胞を攻撃できるようになります。
オプジーボ・ヤーボイ併用療法は、2種類の免疫チェックポイント阻害薬を組み合わせることで、がんに対する攻撃力をさらに高め、より効果的な治療を行うために用いられます。
「オプジーボとヤーボイの併用療法」と「標準治療の化学療法」を比較評価した結果、悪性胸膜中皮腫の患者さんの全生存期間の延長が確認されました。
(出典:小野薬品工業株式会社 https://www.ono-pharma.com/ja/news/20210527.html)
ヤーボイ点滴静注液について
ヤーボイは、細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)と結合し、特定物質との相互作用を阻害します。CTLA-4が阻害されると、T細胞の活性化と増殖が促されることが明らかになっています。
ヤーボイ®点滴静注液の概要
<効能又は効果>
・根治切除不能な悪性黒色腫
・根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
・がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌
・切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
・切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫
料金
- 1回350,000円(10mg)
投与量は治療歴や体重によって増量可能です。
上記料金は10mgを投与した時の料金です。
オプジーボヤーボイ点滴は、為替レートにより高額な薬剤の為
1回目は薬剤の効果をチェックし、副作用がない場合
2〜5回目の4回分は、2回x2の一括入金をお願いしております。
※点滴時毎回採血検査を必須とします。
別途、採血検査と診察代合わせて(33,000円)必要です。
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