手術療法、放射線療法、化学療法(抗がん剤)といった標準治療に加えて、近年では、がん細胞を標的とする治療や、患者様ご自身の免疫反応を活かした治療への注目が高まっています。
「溶腫瘍ウイルス VRT-106」は、腫瘍溶解ウイルスを用いたがん治療の一つです。がん細胞に選択的に作用し、腫瘍細胞への直接的な働きかけと、免疫反応の活性化という2つの方向から、がんへのアプローチを目指します。
当院では、がん外来における選択肢の一つとして、患者様の病状や現在の治療状況を確認しながら、VRT-106に関するご相談を行っています。
腫瘍溶解ウイルス療法とは?
腫瘍溶解ウイルス療法とは、がん細胞に感染・増殖し、腫瘍細胞を破壊する性質を持つウイルスを利用した治療法です。
従来の抗がん剤治療では、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響が及ぶことがあります。一方、腫瘍溶解ウイルス療法では、腫瘍細胞への選択性を活かし、がん細胞への直接的な作用と、免疫反応の誘導による抗腫瘍効果が期待されています。
現在も世界各国で研究・開発が進められている、新しいがん治療アプローチの一つです。
【図解で解説】VRT-106とは?

VRT-106は、アルファウイルスM1由来の腫瘍溶解ウイルス製剤です。がん細胞に感染した後、腫瘍細胞内で増殖し、がん細胞の細胞死を誘導することが期待されています。
また、腫瘍の周囲にある免疫環境に働きかけ、CD8陽性T細胞などの免疫細胞による反応を促す可能性も研究されています。
VRT-106は、がん細胞への直接的な作用と、免疫反応の活性化という二重の作用機序に着目した治療法です。
VRT-106の特長
- がん細胞への選択的なアプローチ
腫瘍細胞に感染し、腫瘍細胞内で増殖することで、がん細胞への働きかけを目指します。 - 免疫反応の活性化
腫瘍微小環境における免疫反応を促し、がんに対する免疫細胞の働きをサポートする可能性があります。 - 標準治療との併用を検討できる場合があります
患者様の状態や治療歴に応じて、標準治療や他の治療法との組み合わせを検討することがあります。 - 静脈注射による治療
治療は医師の管理下で、静脈注射により行います。
VRT-106の作用機序

VRT-106の作用機序は、大きく分けて2つあります。
1. 腫瘍細胞への直接作用
VRT-106は腫瘍細胞に感染した後、細胞内で増殖し、アポトーシスや壊死性アポトーシス、オートファジーなど、さまざまな形の細胞死を誘導することが期待されています。
2. 免疫反応の活性化
VRT-106は、腫瘍周囲の免疫環境に働きかけ、CD8陽性T細胞などの免疫細胞の反応を促す可能性があるとされています。これにより、ウイルスによる直接的な腫瘍溶解作用に加え、免疫を介した抗腫瘍作用も期待されています。
このような方はご相談ください
- 現在の標準治療に加え、他の選択肢についても相談したい方
- 抗がん剤や放射線治療との併用について相談したい方
- 進行がん・再発がんに対する治療の選択肢を検討したい方
- 自由診療によるがん治療について相談したい方
※治療の適応については、がんの種類、進行度、全身状態、これまでの治療歴などを踏まえて医師が総合的に判断いたします。
治療の流れ

- お問い合わせ・ご予約
まずはお電話またはお問い合わせフォームよりご相談ください。 - 診察・カウンセリング
現在の病状、治療歴、検査結果などを確認します。 - 治療適応の確認
VRT-106による治療が適しているかを医師が判断します。 - 治療計画のご説明
治療方法、期待される効果、リスク・副作用、費用についてご説明します。 - 治療開始
医師の管理下で治療を行います。 - 経過観察
治療後の体調変化や検査結果を確認しながら、継続の可否を判断します。
点滴投与 スケジュールイメージ
1セット(3回)を3〜4週間おきに8セット(計24回)行います。
計8セット(24回)

投与は、3日間で3回点滴もしくは、2日間で3回点滴する方法をご選択いただきます。
※一括購入をしていただきます。
来院時にご持参いただきたい資料
- 診療情報提供書、紹介状
- 画像検査データ(CT、MRI、PETなど)
- 血液検査データ
- 病理検査結果
- 現在服用中のお薬が分かるもの、おくすり手帳
治療費用について
本療法は自由診療(保険適用外)です。
治療費用:498万円
詳細につきましては、診察時に医師よりご説明いたします。
※別途、診察料が必要となる場合があります。
※薬剤注文後は、返金は出来ません。
主なリスク・副作用
VRT-106による治療では、以下のような副作用が生じる可能性があります。
- 発熱、悪寒、倦怠感
- 悪心、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状
- リンパ球数減少、好中球数減少、白血球数減少、血小板数減少、貧血などの血液検査値異常
- 肝機能異常、ビリルビン上昇、低アルブミン血症、低カリウム血症など
- 血圧上昇、皮膚のかゆみ・発疹、腎機能への影響など
副作用の程度や発現には個人差があります。治療中または治療後に体調の変化を感じた場合は、速やかに医師またはスタッフへお申し出ください。
未承認医薬品等について
VRT-106は、日本国内において未承認の医薬品です。
本療法は自由診療として、医師の責任のもと、患者様へ十分な説明を行い、同意をいただいたうえで実施します。
国内において同一の成分・性能を有する承認医薬品はありません。安全性や有効性については、現在も研究・臨床開発が進められている段階です。
お問い合わせ
治療に関するご質問・お問い合わせ等は、ひろいクリニックまでお気軽にお問い合わせください。
