【男性更年期障害とは?医師が原因と治療法を分かりやすく解説】

男性も更年期障害に悩まされることがあるということをご存知ですか?

症状が放置されることも多いですが、男性更年期障害は大きな病気と関連する可能性があるため早期の対処が重要です。

今回は最近増加傾向にある「男性更年期障害」について医師として解説していきます。男性更年期障害は解決が難しい病気ではありません。しかし、男性も更年期障害になる可能性があることや対処法について理解し、適切なケアを行うことが重要です。まずは血液検査で男性ホルモンの量を調べ、状況に応じて運動療法や服薬療法、ホルモン補充療法などを行いましょう。

目次

1. 男性更年期障害(LOH症候群、加齢性腺機能低下症)とは

・30歳〜70歳近くまで幅広い年齢層で起こる様々な症状の総称

・男性ホルモンの分泌量が減少することで症状が現れる

・男性更年期障害で起こる症状は放置されがちになる

男性更年期障害は主に男性ホルモンの減少によって引き起こされる様々な症状のことです。女性の更年期障害と同様に、男性にも活力や体重増加、不安感、性欲低下などの症状が現れます。しかし、男性更年期障害の場合は、一過性の精神的な症状として放置されることも多いです。男性更年期障害は血中の男性ホルモン量を測ることで症状の原因や進行状況を知ることができます。

2. 男性更年期障害の主な症状及び微候

・男性更年期障害の症状は「身体」「精神」「性機能」に現れる

・自覚症状として分かりやすいのは性欲低下や勃起機能不全

・血液検査で男性ホルモンの量を確かめることができる

男性更年期障害の症状は、主に「身体症状」「精神症状」「性機能症状」の3つに分類されます。個々の症状パターンは個人によって異なりますが、代表的な症状の一つは性欲低下や勃起機能不全(ED)などの性機能に関連するものです。下記のような症状が当てはまる場合は血液検査をおすすめします。血液中の男性ホルモン量を測ることで、男性更年期障害の症状の原因や進行状況を知ることができます。

2−1. 男性更年期障害で見られる症状の具体例

【身体症状】

  • 筋肉痛
  • 疲労感
  • 関節痛
  • 肥満
  • 頻尿
  • ほてり

【精神症状】

  • うつ(気分障害)
  • イライラ
  • 不安感
  • 不眠
  • 興味や意欲の消失
  • 集中力の低下
  • 記憶力の低下

【性機能症状】

  • ED(勃起機能不全)
  • 性欲低下

3. 男性更年期障害の主な治療法

・症状が強い場合はホルモン補充療法

・基本的な対処法は生活習慣の改善

・予防的な対処法は漢方などの服薬療法

 

 男性更年期障害の治療法はホルモン補充療法、運動療法、漢方療法、ED治療などがあります。また、精神的な状況に応じては抗うつ薬・抗不安薬も検討されます。男性ホルモンが低下し症状が強い場合にはホルモン補充療法が行われ、漢方薬は不眠や不安感などに有効です。運動療法は気分の改善に役立ち、男性ホルモンの分泌を促進します。どのような治療が適切かを知るために血液検査で血中の男性ホルモン量を測ることをおすすめします。

4. 男性更年期障害の初期症状

・性欲や勃起機能が低下している

・些細なことで気分が変調しやすくなる

・内臓脂肪の数値が上昇している

 男性更年期障害は身体、精神症状に加えて性機能症状が現れることが特徴です。したがって、性欲低下やEDなどが初期症状となって自覚されることが多いです。加齢とともに性欲は減少していきますが、男性も更年期障害について認識し、特に40代以降は注意が必要です。症状が当てはまる場合は血液検査をおすすめします。検査自体は5分程度の短いものです。

5. 疲労感が続く場合は血液検査を

 男性更年期障害はなかなか気付きにくいという傾向があります。主な自覚症状は性欲低下やED、イライラや疲労感であり、これらは自然な加齢とも関連していますが、更年期障害によっても引き起こされます。男性更年期障害は糖尿病や肥満、メタボリックシンドローム、骨粗しょう症、動脈硬化などの心血管疾患にもつながると考えられています。自分が男性更年期障害に当てはまるかどうかの診断は血液検査がおすすめです。

「更年期かなと思ったら」

①疲労感や性機能症状がないかチェック

②医療機関で血液検査をする

③自身の状況に応じてホルモン補充療法などを検討する

 男性更年期障害は血液中の男性ホルモン量を測ることで症状の原因や進行状況を知ることができます。血液検査は5分程度で終わることも多いので、健康の基本として習慣的に行うことをおすすめします。現状理解が安心に繋がったり、他の病気の早期発見にも役立ちます。

SNSでのシェアはこちら
  • URLをコピーしました!
目次